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猫による皮膚病2 猫ひっかき病

[2022.09.17]

こんにちは。院長の牧野です。

 

前回に続き、猫に関連した病気を紹介します。

先日、野良猫に手を引っかかれた方が受診されました。症状はそれほどではありませんでしたが、油断すると大変な病気があります。「猫ひっかき病」は、読んで字のごとく猫にひっかかれてうつる病気です。噛まれたりしてもなります。猫を扱うことが多い獣医師が引っかかれたり噛まれたりして生じることがあります。

これは、傷口からBartonella henselaeという細菌が人間に感染したために生じます。猫の7%ほどに保菌しているという報告もあります。ノミを介して猫同士に移るようです。猫には無症状ですが、人間はひっかかれてから、3~10日で化膿したり水疱ができたり、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、まれに心内膜炎や脳炎を生じることもあります。ほとんどは軽症で治りますが、免疫抑制剤内服中や抗がん剤治療中、HIV感染者など免疫が落ちている方には重症化することがあります。

自然に治ることもありますが、重症化することもありますので傷をきれいにし、抗菌剤投与はしておいたほうが良いかと考えます。

予防のためには、猫に傷をなめさせないようにしたり、猫の爪をよく切っておいたり、細菌の伝搬の役割をしているノミを定期的に駆除しましょう。

飼い猫を飼っている方や野良猫をよく見る方は注意してください。

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