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酒さ、酒さ様皮膚炎~赤ら顔

[2022.06.06]

こんにちは。院長の牧野です。

5月26日「酒さ(しゅさ)」にロゼックスゲルという抗菌剤の外用薬が新しく保険適応となりましたので、今回は「酒さ」と「酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)」について書かせていただきます。

「酒さ」とは、顔の紅斑や血管拡張、ほてりを主徴とする慢性の炎症性疾患です。かゆみを伴うことがあったり、ニキビのような膿疱を生じたり、放置していると鼻が腫瘤状になったりします。赤ら顔と言われたりします。原因はわかっていませんが、脂腺分泌の亢進、日光照射、ニキビダニの関与、飲酒、化粧品など言われています。また、ステロイド外用剤を長期間外用すると、同じように顔がほてったり、ひりひりしたり、赤くなったりする「酒さ様皮膚炎」が起きることが知られています。「酒さ」の患者さんは時々みますが、「酒さ様皮膚炎」の患者さんは多くいらっしゃる印象です。本日も二人の方が受診されました。

治療としては、抗菌剤内服をして、酒さ様皮膚炎の方はステロイド外用剤の中止をすると軽快しますが、ステロイド外用剤の中止によって一時的に症状が増悪するリバウンドが起こるため、慌ててステロイド外用をしてしまって、結果的になかなか治らずあちこちの皮膚科を受診する、いわゆるドクターショッピングをされる方もいらっしゃいます。

私の考えですが、「酒さ」も「酒さ様皮膚炎」も顔に生じる細菌感染かなと思っています。「酒さ様皮膚炎」のリバウンドが生じるのも、今まで外用していたステロイドで抑制されていた免疫細胞が活性化し、顔の細菌を攻撃するため炎症が強くなり症状が増悪すると考えます。抗菌剤を内服すると軽快するのは細菌感染であることを示しています(抗菌剤内服で改善しない場合は、ニキビダニによる毛包虫性ざ瘡など別の疾患かもしれません)。免疫抑制剤の外用剤を処方されることもありますが、原因が細菌感染だとすると逆効果です。

以前からよく効くとして保険適応ではないロゼックスゲルを自費で処方している病院がありました。私も保険適応になることを知らなかったので、自費で購入していただこうかと思っていたところでしたが、この度保険適応となって良かったなあと思います。

顔の赤みがなおらない方は、酒さや酒さ様皮膚炎かもしれません。一度ご相談ください。

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